『十二人の死にたい子どもたち』 冲方丁 読書感想

5月15日に『十二人の死にたい子どもたち』 冲方丁

を読みました。

久々に読書をするので、ゆったり読み進めてました。

 

あらすじ:安楽死をするために集まった十二人の少年少女。そこには謎の十三人目の死体があった――。彼らは、このまま安楽死を実行できるのか。

 

 

<感想>:12人のそれぞれの視点や想い、理念に基づきディスカッションを進めていく。死にたいと思う理由はそれぞれ多岐にわたるが、ある人の理由は他人にとったら些細な事と言われてしまうかもしれないが、当人にとっては大事な事由になりうる。物語も集まった人の会話を中心にリレー方式で進んでいくので、読みやすいと感じた。

 

主要登場人物も12人でてくるが各人キャラや印象がたっているので読み始めたらすっと入ってくる。それぞれの視点を感じることで一つの物事について様々な視点から見ることができ、各人の思惑や他者への印象も感じることができるのも面白いと思った。

 

他人とのかかわりが希薄になりつつある昨今他者と会話をする、思いやる、考えるといったことを改めて思わされた作品。また、他人を許容する、理解する、納得する、といった他者との議論の難しさにも改めて気づかせてもらえる作品。